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3つのステップで取り組む乾癬の治療

[監修]東京慈恵会医科大学皮膚科教授 中川 秀己 先生 東京逓信病院皮膚科部長 江藤 隆史 先生

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治療の種類

乾癬の治療には大きく分けて、外用療法、内服療法、光線療法、生物学的製剤の4つの方法があります。

乾癬の治療で最も多くの患者さんに行われているのは外用療法です。外用療法で効果が不十分な場合は、内服療法や光線療法に切り替えたり、これらのうちのいくつかを組み合わせて治療します。
「生物学的製剤」は新しい治療薬で、皮膚症状だけでなく、治療が難しいとされる爪や関節の変形(関節破壊)を防ぐ効果が期待されています。

外用療法(ぬり薬)

外用療法(ぬり薬)

活性型ビタミンD3やステロイドの外用薬(ぬり薬)を患部にぬる治療法です。
確実な治療効果を得るためには、使用量や外用回数を守ることが大切です。
また、外用薬をすべての皮疹にぬるのはたいへんな作業ですが、面倒がって外用回数を減らしてしまうと、悪化につながることも少なくありません。


薬剤 特徴
活性型ビタミンD3外用薬 ステロイド外用薬と同程度の効果がありますが、ステロイド外用薬よりも効果があらわれるのが遅く、2~3ヵ月かかります。
ぬった部分にヒリヒリとした刺激感を感じることがありますが、長期間にわたって使い続けても副作用が増えることはなく、ステロイド外用薬に次いで多くの患者さんに使われています。
ステロイド外用薬 乾癬の治療で最も多くの患者さんに使用されている薬剤です。ステロイドは炎症をおさえる働きがあり、短期間で効果があらわれますが、その半面、長い間使い続けると、皮膚が薄くなったり、皮膚の感染症を起こしやすくなったりすることがあります。
ステロイド外用薬には炎症をおさえる作用が強いものから弱いものまでさまざまな種類があり、症状によって使い分けます。
内服療法(のみ薬)

内服療法(のみ薬)

患部が広い場合や、皮膚症状が強く外用療法で十分な効果が得られなかった場合に行う治療法です。


薬剤 特徴
シクロスポリン もとは臓器移植の手術をした後に起きる拒絶反応をおさえる薬としてつくられましたが、免疫の異常をおさえる作用をもつことから、乾癬の治療にも使われるようになりました。
高い効果がありますが、血圧の上昇や腎臓の障害などの副作用が起きることがあるので、服用中は定期的な検査を行います。
レチノイド
(ビタミンA誘導体)
皮膚の新陳代謝を調節する働きがあります。
高い効果がありますが、皮膚や粘膜の副作用を起こすことがあります。
また、男女とも服用中に子供ができると奇形が生じる危険があるので注意が必要です(服用前に同意書を記入します)。
光線療法

光線療法

古くから日光浴が乾癬をよくすることが知られていました。光線療法は人工的に紫外線を照射して、皮膚症状の改善をはかる治療法です。


薬剤 特徴
PUVA(プーバ)療法 ソラレンという薬を内服、外用あるいはお湯に溶かして入浴した後、UVA(長波長紫外線)を照射します。治療は週に2~4回行います。
ソラレンは紫外線に反応する薬なので、内服や外用した当日は、絶対に日光にあたらないようにしてください(ただし、バスPUVA療法は除く)。
ナローバンドUVB療法 乾癬にはUVB(中波長紫外線)を照射する治療法が有用です。最近では、UVBの中でも乾癬の治療に最も効果的で安全性の高い波長の光線のみを照射するナローバンドUVB療法が普及しています。
PUVA療法と効果は同程度ですが、紫外線照射前にソラレンを使う必要がないので治療が簡便です。
生物学的製剤

生物学的製剤

バイオテクノロジーの技術で創られた新しいタイプの薬です。
TNFα(ティー・エヌ・エフ・アルファ)やIL(インターロイキン)など、炎症の原因となる体内物質と強力に結合し、その働きをおさえます(TNFαについてはこちらをご覧ください)。
TNFαの働きをおさえる「TNFα阻害薬」は、乾癬のほか、関節リウマチや潰瘍性大腸炎、クローン病、ベーチェット病などの難病にも高い治療成績をあげています。


薬剤 特徴
TNFα阻害薬 “炎症の親玉”といわれるTNFαの働きをおさえて、皮膚の症状を速やかに改善します。
TNFα阻害薬による治療を受けているときは、免疫の働きが低下して感染症にかかりやすくなることがあるので注意が必要です。
点滴する薬と皮下注射する薬があります。
IL(インターロイキン)阻害薬 ILの働きをおさえることで炎症をしずめ、皮膚症状を速やかに改善します。
IL阻害薬による治療を受けているときは、免疫の働きが低下して感染症にかかりやすくなることがあるので注意が必要です。
投与方法は皮下注射です。

関節炎の治療(関節症性乾癬)

関節に痛みや腫れなどがある場合は、非ステロイド性消炎鎮痛薬や関節リウマチの治療に用いられる抗リウマチ薬を服用します。
生物学的製剤は皮膚の症状だけでなく、関節炎の症状をおさえる効果もあります。特にTNFα阻害薬は、病気の進行とともに起きる関節の変形(関節破壊)を防ぐことから、関節リウマチの治療にも使われています。

プラスONE:[ 温泉療法 ]

温泉が出る地域が多い日本では、皮膚病の治療法の1つとして温泉療法が知られています。一部の温泉では乾癬にも効果があることが知られています。
温泉に入ってリラックスするのはよいことですが、泉質によっては肌に合わなかったり、長時間入っているとかゆみが増したりすることがあるので気をつけましょう。