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専門医がわかりやすく回答 乾癬Q&A

乾癬に関する疑問に専門医がお答えします。

  • 乾癬の症状のためか、かゆみがひどくて困っています。乾癬の症状にかゆみは伴うのでしょうか?また、かゆみを改善する方法はありますか?

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    乾癬の患者さんの少なくとも約60%で「かゆみがある」といわれています。かゆみが生じるタイミングは、皮膚症状が悪化するときや乾癬の皮疹が新しく生じるときなど患者さんによって様々です。一般的に、アトピー性皮膚炎などに比べ、かゆみは強くないと考えられていますが、なかには眠れないほどひどいかゆみがある患者さんもいらっしゃいます。
    乾癬患者さんでは、かゆみのため皮膚を引っ掻くと新たに乾癬の皮疹を誘発し(ケブネル現象)さらに症状が悪化し、かゆみも悪化するという悪循環が生じます。
    かゆみをできるだけ抑えることは乾癬の治療では重要です。
    かゆみが生じる原因は、現在のところわかっていませんが、乾癬の治療によりかゆみが改善することが多いため、まずは乾癬の治療をしっかりと行い症状をコントロールすることが重要です。かゆみが強い場合には、抗ヒスタミン薬などの内服により症状が軽減されます。また日常生活での注意点は、かゆみは体温が上がると起きやすいことも知られていますので、熱すぎるお風呂に長時間入らない、入浴中に掻かない、アルコールや香辛料などはできるだけ避ける、また冬に皮膚が乾燥するとかゆみが悪化しますので皮膚の保湿などに気をつけることなどです。ときには、乾癬以外の原因(例えば皮膚真菌症の合併や外用剤によるかぶれなど)でかゆみが生じていることがあります。かゆみが強く、なかなか改善しない場合には、主治医の先生にご相談ください。

    (公益財団法人 日本生命済生会付属 日生病院 皮膚科主任部長
     東山真里 先生)
  • 乾癬は皮膚の病気だと思っていましたが、皮膚の症状以外にも何か症状が出ることはありますか?

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    最近では、乾癬は単なる皮膚の病気ではなく、全身の炎症疾患として考えられるようになってきました。皮膚症状以外の症状としては、腫れや痛みを伴う関節症状や、眼が見えにくくなる症状(ぶどう膜炎)などが挙げられます。また以前から、乾癬の患者さんでは、高血圧や肥満をはじめとするメタボリックシンドローム、さらに心筋梗塞などを合併する頻度が高いことも知られています。したがって乾癬の治療は、皮膚症状はもちろんのこと、関節症状や高血圧などの合併症の有無にも注意して進めていく必要があります。もし皮膚症状以外でも気になる症状がある場合には、主治医の先生にご相談されるのが良いと思います。

    (三重大学 医学部 皮膚科学教室 准教授 山中恵一 先生)
  • 乾癬はうつる病気なのでしょうか?家族と一緒にお風呂に入るとうつるのではないかと心配しています。

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    “カンセン”という言葉の響きから“感染”とイメージされ“うつる病気”と誤解している人も多くいらっしゃいます。そのような誤解から、多くの患者さんが悩まれているのも事実です。しかし、乾癬は、細菌やウイルスによって伝染する病気ではないため、決して人にうつることはありません。そのため、家族や友人と一緒にお風呂はもとより、プールや温泉などに入ってもうつる心配はありません。乾癬という病気を正しく理解されていない人も多くいらっしゃいますので、ご家族や周りの人に正しくこの病気について理解をしてもらうことが、非常に重要だと思います。

    (東海大学医学部付属病院 皮膚科 科長 馬渕智生 先生)
  • 乾癬の皮疹は、今後どんどん広がってしまうのでしょうか?

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    乾癬は、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返す慢性的な病気です。放っておくと皮疹が広がってしまうこともありますので、皮疹を広げないためにも適切な治療を行うことが大切です。最近では乾癬の治療もどんどん進歩しておりますので、治療によって症状がほとんど出ない状態(寛解;かんかい)を長く維持させることが可能になってきました。患者さんの症状ごとに適した治療方法がありますので、皮膚科の先生によくご相談されることをお勧めします。また、乾癬を悪化させる原因には、食事やタバコ、ストレスなどいろいろありますが、それらを理解し、日常生活の中で注意をすることで、乾癬をうまくコントロールできることもあります。 皮疹が気にならない快適な生活を送るためにも、皮膚科の先生と治療目標を共有し、積極的に治療に参加しましょう。

    (日本医科大学付属病院 皮膚科 部長 佐伯秀久 先生)
  • 最近、指が腫れて痛みがあります。関節リウマチなのではないかと心配しています。また、腰にも痛みがあります。ギックリ腰と思っていましたが、なかなか良くなりません。乾癬と関係があるのでしょうか?

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    乾癬の患者さんの中には、皮膚だけでなく関節にも炎症が生じる方がいらっしゃいます。「関節症性乾癬」(もしくは乾癬性関節炎)と呼ばれていて、手・足の指や足の裏、腰などに痛みが生じ、関節が腫れてきたりします。多くの場合、皮疹と関節炎の始まる時期は異なります。乾癬の皮疹が出現するようになって、10年以上経過してから関節炎が現われる方も少なくありません。そのため、ご本人もまさか関節炎が乾癬のためとは気付いていない場合が多々あります。炎症がひどくなると、関節が壊れて変形してしまいます。急速に関節炎が悪化する方もいらっしゃるので注意が必要です。最近では治療法も進歩し、関節症性乾癬の関節炎に有効な薬剤も使えるようになっています。指や腰などがおかしいのであれば、関節症性乾癬かもしれません。一度、皮膚科やリウマチ科の先生にご相談されるとよいと思います。

    (信州大学 医学部 皮膚科学教室 教授 奥山隆平 先生)